2011年9月4日日曜日

五輪へ期待“なでしこ特需” スポンサー売り上げ急上昇


女子サッカーのロンドン五輪出場へ向け、熱戦を繰り広げている日本代表「なでしこジャパン」への期待が高まる中、ワールドカップ(W杯)ドイツ大会のユニホームや公式スーツが飛ぶように売れるなど、関連ビジネスにも期待が高まっている。
 「まったく予想していなかったので、びっくり」
 女子日本代表メンバーのうち7人が所属する「INAC神戸レオネッサ」のユニホームの胸に書かれた「黒糖ドーナツ棒」の売り上げが急上昇。製造元であるフジバンビ(熊本市)の吉田高成社長は、驚きを隠せない。
 W杯優勝後、なでしこリーグが再開した7月下旬。INACの本拠地ホームズスタジアム神戸(神戸市)に集まった約1万7800人を前に、川澄奈穂美選手が試合後に「おいしいから食べて」とPRした。
 それまで1日あたり数百件だったインターネットでの注文が、とたんに数千件に跳ね上がった。7月末に同商品の販売を始めた百貨店のそごう神戸店(神戸市中央区)では301円(5本入り)~701円(20本入り)の商品が、1日に7万~8万円分も売れる人気商品となり、リピーターも増えているという。
 吉田社長は「兵庫県姫路市発祥の当社ですが、関西での知名度は低かった。恩返しのつもりでINACを支援してきたが、うれしい限り」と頬を緩める。
なでしこ公式サプライヤーのアディダスジャパン(東京都新宿区)は8月下旬、右胸にW杯優勝を示すエンブレム、左胸に初タイトルを表す星が入ったW杯優勝レプリカユニホーム(1万8900円)の予約販売を開始。2011枚限定だが、わずか2~3日で完売した。優勝の熱気は1カ月以上たっても冷めず、なでしこ人気の高さをうかがわせた。
 なでしこジャパンの公式スーツを7月下旬にインターネット販売したワールドによると、販売目標は非公表だが、すでに半袖シャツは完売。スーツとスカーフも残りわずかという。
 ただ、旅行各社は8月、なでしこの五輪アジア最終予選の応援ツアーを発売したが、ほとんど予約が入らず、期待外れに終わった。サッカーショップ加茂を全国展開する加茂商事(大阪市北区)の担当者は「一過性のブームに終わらせないためには、女子のサッカー人口を増やす取り組みが求められる」と話した。

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